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クレーム対応に学ぶ「言葉で伝える」時に大切にしたいこと

こんにちは。佐賀のコピーライター・ライター / nib.代表の北村朱里です。

佐賀歯科衛生専門学校で、非常勤講師として話し方の授業を担当しています。

先日のテーマは「クレーム対応」。とある歯科クリニックで、長時間待たされた患者さんが歯科衛生士に対して不満をぶつける、という設定で、患者さん役と歯科衛生士さん役に分かれてロールプレイングしてもらいました。

私が授業の中でクレーム対応の例やコツをお伝えしたり、みんなのロールプレイングを聞いたりしている中で、クレームのみならず「言葉で伝える」時に大事なことについて改めて学んだことをお伝えします。

1.相手の話をよく聞き、気持ちや背景を想像する

お客さまがお怒りだったりご不満を呈されたりしている時、まずはその理由を探るべく、じっくりお話を聞いてみること。そしてその言葉や話し方から、その時の気持ちやバックグラウンドを想像してみることが大切です。

この考え方は、言葉で伝えることを考える他の場面、例えばキャッチコピーをつくる時にも共通しています。ある商品を売るためのキャッチコピーをつくるとしたら「この商品を知っているのに買わない人は、どんな気持ちなんだろう」「この商品に興味を持っていない人には、どんな背景があるんだろう」と考えてみることで、今まで買わなかった人が買いたくなるためのアイデアが浮かぶきっかけになります。

2.相手の気持ちへの共感を伝える

お怒りやご不満の理由がつかめてきたら「それはお困りですね」「大変ですよね」など、共感の言葉を添えながら話を聞き進め、解決策の提案へと持っていくとスムーズです。

これはクレーム対応や会話の時だけでなく、文章を書く時にも応用できる方法。例えば、単に「◎◎の使い方を紹介します」という導入文よりも「いざという時◎◎の使い方がわからないと困りますよね。そこで今回は~」という共感から入っていく方が、本文を読んでみたいという気持ちにさせるでしょう。

3.情報だけでなく、自分の気持ちを伝える

例えばお店で長時間待っているお客さんが「いつまで待たせる気?!」とお怒りだとしたら「あと10分です」という情報だけ言われるよりも「お待たせして申し訳ございません。あと10分お待ちいただけますか」というように、お詫びの気持ちまで伝えたほうが、受け入れられやすくなります。

このようなクレームの時のほかにも、相手に何かをお願いするときには「◎◎してください」よりも「◎◎してくれたら、私、とても助かります」のように話し手の気持ちとセットのほうが、相手に行動を起こしてもらいやすくなるのです。