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学生のコマーシャル企画に学ぶ、キャッチコピーのコツ

こんにちは。佐賀のコピーライター・ライター / nib.代表の北村朱里です。

佐賀歯科衛生専門学校で、非常勤講師として「話法」という授業を担当しています。

前回の授業では「ラジオコマーシャルをつくろう」というワークショップをしました。なぜラジオコマーシャルなのかというと、私が好きだから……というだけでは決してなく(笑)限られた秒数で、聞き手に言葉だけで情報を伝え、心を動かすための言葉のチョイス、文の構成、話し方を学ぶためには格好の教材だからです。

というわけで、お題は「佐賀歯科衛生専門学校オープンキャンパスを高校生に宣伝する30秒コマーシャル」! いくつかのグループにわかれて台本作成→練習→発表、という流れで取り組んでもらった結果、学生たちがつくったコマーシャルからキャッチコピーのコツとして改めて学ぶ点がたくさん見つかりました。

1.伝えたい相手の目線になって情報を選ぶ

たった30秒では、オープンキャンパスに関するすべての情報は伝え切れません。そこで私は学生たちに「高校生が興味を持ってくれそうな情報はどれかな?と考えて厳選してみてね」と伝えました。その結果、ほぼすべてのグループがチョイスした情報は「参加記念のプレゼント」。なぜ? と尋ねると「自分がオープンキャンパスに来た時、コレが嬉しかったから」とのこと。伝えたい相手の目線になって、自分がその立場だった時を思い出して情報を選択する。すばらしい考え方です! ※もちろんプレゼント情報でゴリ押ししたわけではなく(笑)ちゃんと学校そのものの魅力も伝えていましたよ♪

2.伝えたい相手になりきったセリフで伝える

あるグループは、学校の魅力を伝える先輩役とそれを聞いている高校生役の会話形式でコマーシャルを作っていました。「佐賀歯科衛生専門学校ってどんなところ?」「〇〇な学校だよ」「それなら行ってみたい!」のような感じ。伝えたい相手(高校生)になりきったセリフを使うことで、聞き手は”自分ごと”として捉えやすくなりますよね。ナイスアイデアです。

3.「情報」だけではなく「どう役立つか」まで言う

単に「歯科衛生士になるための勉強ができる」という情報だけではなく「多くの分野で活躍できるスペシャリストをめざせる」「専門知識のほか社会人マナーや女性としての美しさも身に着けられる」のように”この学校は学生にとってどう役立つのか”ということまで伝えているのがすばらしいなと思いました。情報ももちろん必要ですが、人の心が動くのって、その先の”それは自分にどう役立つのか””それは自分にとってどんな価値があるのか”まで伝わった時ですもんね。

今回の学び、コマーシャルづくりだけでなく、お店や会社の集客チラシ、ウェブなどのキャッチコピーをつくる時のヒントになります。皆さまにもご参考になれば幸いです!