皆さん、こんにちは。コンサルティングオフィスnib.の北村朱里です。
今日は知人Aさんが聞かせてくれた、営業電話を受けた体験談から。お客さまの心理を踏まえた電話クレーム対応方法例をご紹介します。
(以下、Aさんの話を元に再構成しています)
20時半頃、自宅でくつろいでいたAさんに電話がかかってきました。
電話営業の人:通信講座の〇〇と申します。A様でしょうか
Aさん:はい、そうですが
営業:お子さまの通信講座のご案内でお電話を差し上げました。少しお時間をいただけますでしょうか
Aさん:(たしかに以前この会社のアンケートに答えて、電話番号や子どもの年齢を書いたけれど……)
Aさん:失礼ですが、この時間に電話かけてくるものなの?
営業:はい、当社では21時まで電話でのご案内をさせていただいております。あ、21時には電話が終わるようにとの指導を受けております
Aさんはこの後、丁重にお断りして電話を切り、その番号を着信拒否にしたそうです。
「失礼ですが、この時間に電話かけてくるものなの?」
お客さまからのこの言葉、どんなふうに答えるのが良いのでしょうか。まずはこれを言うお客さまの心理を考えてみましょう。
お客さまは、質問に答えてほしいわけではない
「この時間に電話かけてくるものなの?」と、字面では質問のかたちをとっていますが、心理としてはその答えが聞きたいというより「この時間に電話をかけてこられるのは迷惑だ」感じていると考えられます。
例えば……「私と仕事、どっちが大事なの?!」と言う時(あ、私は言ったことありませんよ、言われたことはありますが笑)、「私と仕事のどちらが大切なのか?」と質問したいわけではなく、「私のことを大事にしてほしい」が本当の気持ちですよね。
以前私が在籍していたコールセンターでも、夜にお客様へ電話をかけて「今何時だと思ってるんだ!!」と叱られた時「20時23分です」と冷静に答えてしまったオペレーターがいました。それでさらにお怒りを買い、大きなクレームへ発展……
人間、怒りがわいて感情が高ぶった時ほど、感情通りの言葉が出ないものです。怒っているなら「私は怒っている」と言えばいいものを、「私の気持ちがわからないの?!」となってしまったり。相手にわからせたいという気持ちの強さからか、こうして疑問形に変換しがちなのです。
言葉の裏にある感情を見て対応する
なので、電話クレームでは相手の言葉そのままだけでなく、その裏にある感情まで見て対応することが大切です。
冒頭の電話営業の人は、まさにAさんの言葉をそのまま受け取って答えてしまった例でした。
Aさんの言葉の裏にある感情を見ると……
「この時間に電話かけてくるものなの?」→「この時間に電話かけてこられたら迷惑だなあ」
こう考えると、どう答えたらいいかわかってきますね。
例:「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。私どものご案内は21時まで行っておりますが、Aさまにはご迷惑をおかけしてしまい大変申し訳ございませんでした……」
このように、「電話案内は21時まで」と答えることより「Aさんに迷惑をかけたことへのお詫び」を主眼にします。
Aさんは冷静に伝えたようなのでこんな感じの対応になりますが、「今何時だと思ってるんだ!!」と怒鳴られたりした場合は「ご迷惑おかけして、大変申し訳ございません……!」とひたすら深々とお詫びです。相手のお怒りが強いほど、こちらもその感情にフォーカスする割合を高めるのがポイントです。
これから電話クレーム対応する際、「人は怒った時、感情通りの言葉が出ないもの」ということを頭の片隅に入れていただいて、お客さまの話をじっくり聞きつつ「今の言葉はどういう気持ちで言っているのかな?」と考えながら対応してみるときっとうまくいくはずです!
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