こんにちは。佐賀のコピーライター・ライター・講師/nib.代表の北村朱里です。
世間のブームからだいぶ遅れてサウナにはまっており、1~2週間に1回ほど、近くのサウナがついた温泉に出かけています。
温泉では新型コロナ感染防止策が徹底されており、サウナは1時間に1回の清掃と換気が行われ、館内にはいたるところに「『黙浴』をお願いします」の貼り紙があります。
私がサウナに入っていると、従業員の方が入って来られ「すみません、清掃の時間です」。私はそうかそうかと出て、水風呂につかっていると、やがて従業員さんが清掃を終えられ、去り際に水風呂の私のほうを向いて笑顔と会釈。それがとっても感じ良くて、言葉が無くても「ご協力ありがとうございました」の意が伝わってきたのでした。
コミュニケーションには、言葉と言葉以外のものがある。私の専門領域は言葉を使うほうのコミュニケーションですが、言葉を使うときにはいつも、言外で伝わる意図や印象にも気をくばっています。
例えば、語感。以前にネーミングのお仕事をさせていただいたサロン「malieu(マリュー)」さま、言葉としては「環境」を意味する「milieu」と、オーナー「まり子」さんのお名前を組み合わせたものです。ですが、それに加えて、どこかの外国の少女の名前のようなかろやかな響きを持たせることで、チャーミングさ、自由な感じも表現しています。
それから今、生涯学習センターで講座づくりについて教えているのですが、講座のタイトルを「料理ニガテでも15分でできる簡単で早いおかず講座」と書いて「長くなっちゃうんですよね……」と悩まれている方がいたとしたら「簡単で早い」を削除するようアドバイスします。なぜなら「料理ニガテでも15分でできる」と言われれば、「簡単で早くできる料理」であることは言葉にしなくてもじゅうぶん伝わるから。
「ありがとう」とニコッと微笑めば「うれしかったんだな」って気持ちが伝わるし、「ありがとう」と言っていても曇った表情であれば「本心はちがうのかな?」と不安を抱かせるかもしれない。言葉を扱うときは、言葉に気を配るのと同じくらい、言葉にしていない部分から伝わることにも気を配るのが大切だと思っているのです。